Color Repair
あけましておめでとうございますが死語になりつつあるこの時期に、
新年最初のブログ更新です。
そんなわけで、こんばんわです。
今年は寒い。コートが欲しい。ブーツが欲しい。
物欲万歳!な寒さでございます。
お客様から、「今年、ロングブーツが全然売ってないから、早く直して!」
というお声がありました。
なるほどたしかに、ショートブーツ大流行な上に、最近見かけないかもしれません。
しかしながら、冬の温かいブーツこそ、毎日履いてはガシガシ歩きますから、
ソールがなるべく長持ちするよう、しっかりと修理のお時間をいただきたいのです。
その場ですぐにお直し!のような修理は、言わば、
応急処置のような補修方法で施されていることの方が多いです。
例えば、ゴムのリフトに、釘が打たれていることがあります。
これは、短時間では接着剤が定着しない為、
釘で固定して剥がれないようにするために打たれていることがあります。
これはレザーハーフタイプのリフトに飾り釘が打たれているのとは
全く用途が違います…滑る原因になります…
しかし、リフト交換でしたら、たったの3日です。
3日だけ、辛抱していただければ、しっかりとお直しできます。
2月もまだまだ寒いです、ブーツのお直し、早めにお持ちくださいませ!
さてさて、最近GMTFACTORYでも増えてきたお直し。
靴の染め直し(パティーヌ)。
ご存知でしょうか?
革のむら染めについて 1 | Blog/Staff Information|C.O.U.-WILDSWANS(ワイルドスワンズ)直営店
靴がお好きな方でしたらご存知でしょうが、フランスのシューズブランドでBerluti(ベルルッティ)というブランドがあります。創始者はイタリアの方ですが、1895年に創立され、拠点をフランスに移し変え、現在は4代目になります。
このBerlutiで有名なのが、様々な色を塗り重ねて深い奥行きと美しさを出すパティーヌ(Patine)と呼ばれる染色技法です。薄く塗り重ねられた色合いは大変美しく、絵画的でもあり、今でも様々な人々を魅了し続けています。(上の写真では全然お伝え出来ていないのですが、本当はとても複雑な色合いです。)
パティーヌという言葉のまんまの意味は青錆になってしまうのですが、クリエイティブな世界では「古色にする」という意味で使われます。これは新しいままの姿よりは、古風な雰囲気に変えて楽しむという意味合いで使われます。
靴好きの方は、パティーヌと聞くと必ずBerlutiを思い浮かべるかと思いますが、パティーヌと呼ばれる表現自体は靴以外の創作においても比較的ポピュラーな加工です。
家具などでもアンティーク調なモノに見せる時はパティーヌ加工を施します。真新しい物よりも、スーっと部屋の中へ自然に馴染むので好まれたりします。その他、絵画の額装などでも重厚さや貫禄を出す為に古色や古ツヤを使って風合いを上げることをパティーヌ加工と呼びます。こうすると額の中の絵が一段と格調高くなります。またアール・ヌーボーを代表するガラス工芸家のエミール・ガレも、ガラスを錆び色に濁らせたり曇らせたりする技法のパチネ(パティーヌ)で有名です。(←何故かガレの場合はパチネと呼びますが。)
そう考えるとヨーロッパ(特にフランス)では「侘びを愛でる」感覚が強いのかも知れません。日本人でも好きな方は多いかも知れませんが、パティーヌ加工の場合は更に言うと、本当に古くはないけれど「新品なのにアンティーク風」という、1つの表現手段として好むのかも知れません。あくまでも推測ですが。
Berluti…憧れます…
男でバリバリのビジネスマンだったら履きたい靴です。
と、思ったのですが、なんとレディースサイズを展開したそうです!
し、知らなかった…!!!
ほしい!ほしい!
さてさて話がそれましたが、パティーヌです。
最近の店長のお気に入りのパティーヌがこちらです。
BEFORE
AFTER
ホントにパティーヌなの???????
と聞きたくなるくらいムラなく染まっています。
お靴によっては綺麗にムラなく染められるそうです!
お値段 ¥10,800~
納期は3週間~1ヶ月いただいております。
もう少し濃い色だったら履くのに、なんて靴、ありませんか?
過去のブログに、こんなのもあります。
良かったらご覧ください!
最後のお直し市場で飾っていた金魚のパティーヌは私のお気に入りです!
なんだか内容がボリュゥミィになってしまいましたが、
今年もGMT FACTORYを宜しくお願い致します!
Pocali